コラム

舞きり式火起こしのコツと方法、教えます(その2)

投稿日:

1、火起こし道具について

私たちのずっと祖先が、まだ火を自由にあつかっていなかった大昔、自然界で火は落雷であったり、森の木がこすれあって発火していて、人はそれをただ利用するだけでした。そのうちに木をこすりあわせると火がつくことを発見し、人と火の歴史がはじまりました。
その後、人類が木をこすりあわせた“火の起こし方”を、いく通りも発明するのに、それほど時間はかかりませんでした。
「きりもみ式」「ひもきり式」「弓きり式」などの方法がうまれましたが、最も軽い労力で火を起こすことができるのが「舞きり式」です。ここでは、この代表的な方法での火起こしについて、そのコツと方法をご紹介してゆきます。古代の人が苦労して火を起こしたことが、人類の大きな飛躍に役立ちました。そのことを考えながら、「舞きり式火起こし器」で、火を起こす体験をしましょう。

2、だいたいですが、用意する材料、工具はこんなものです

⑴材料
麻ひも・木綿ひも 1巻 太さ4㎜くらい
はずみ車     130~140㎜ 厚さ35~40㎜ 長さ800~900㎜
火きり棒(杵)  直径16~19㎜      長さ1800~1900㎜
火きり弓(はずみ板)(杉)40~50㎜ 厚さ12~15㎜ 長さ1800~1900㎜
火きり板(火きり臼)(杉)80~90㎜ 厚さ12~15㎜ 長さ1800~1900㎜
(注意:国産木材と輸入木材とがありますが、大きな違いはありません)

⑵工具
ノコギリ
電気ドリル、もしくは板に穴を開けることのできる工具
木工用ドリル刃(径5㎜、径18㎜、径22㎜の3種類)
紙ヤスリ  荒目のもの 

3、”火起こし器”。市販のものもありますが、この際、自分で作ってみよう。

⑴麻わたで“火だね”を採る採火綿を作ります

➀麻ひもを150~200㎜ほどに切り、10本ぐらい用意します。
➁よりを戻す(ひもは繊維をネジって作ってあるので、それをほぐします)と、大量の“わた”ができます。これを揉むようにして玉にしてゆきます。強くしないで、できるだけフンワリ状態にします。これに火だねを落として、隙間からの空気で炎にしますから重要です。


⑵舞きり式火起こし器の構造を説明します

はずみ車  回転を安定させるだけでなく、適度な重みで効果的に摩擦させるものです。いろいろな形がありますが、円形か正八角形にして、ドリルで中心に垂直に穴をあけます。少し重め(200~400g)の重量が必要です。
火きり棒(火きり杵) 回転の軸となる心棒です。この棒の上端から20~30㎜のところに5㎜の穴をあけます。反対側には➀で作った「はずみ車」を接着剤などで固定させます。
火きり弓(はずみ板両手で持って上下運動させる板です。板の中心に22㎜の穴と、両端から20~30㎜のところに5㎜の穴を2個あけます。
木綿ひもを1100~1200㎜に切って、➁の「火きり棒(はずみ板)」の穴と、➂の「火きり弓(はずみ板)」の穴2カ所に通して、裏でひと結びをします。全体が二等辺三角形になるようにしてください。はい、これでほぼ完成です。

⑶火きり板とヘラ

火きり棒(杵)の先端を摩擦させるための板を「火きり板」と言います。ヘラとはその下に敷く薄い板で、火だねが取りやすくなります。


上の木は古墳時代前期(1600年前)の古墳から見つかった火きり板(棒?)です。文字通り、遠い祖先が使っていた証拠ですね。現在では、平たい板に窪みをつけたもの(写真下)を使います。この窪みを「火きり臼(案内穴)」と言い、ここで摩擦させると木がこすれて炭粉状になり、それが溜まってV字の「切り込み」に溢れてきます。

その炭の中に、摩擦で発生した小さな「火だね」が貯まります。この炭を「カーボン」と言いますが、それを麻綿に落とします。小さな火だねを包みこみ、息を吹きかけて空気を送ると、炎になるのです。

4、さて、いよいよ火を起こすぞ

➀「火きり棒」の回転させ、摩擦します

「火きり臼(案内穴)」に「火きり棒」をまっすぐに立てて差し込み、「火きり弓」を水平になるようにします。
「火きり棒」に「木綿ひも」を巻きつけ、「火きり弓」を押し下げると、棒が回転をはじめます。うまく回転させると反動で火きり弓が上にあがってくるので、タイミングを計って、また下に押し下げ上下運動が続くようにします。最初はゆっくりと、だんだん早く回転させます。

➁焦げ臭くなり、やがて煙があがるので一気にスピードを上げて火だねを作ります

「火きり弓」の上下運動を速めると「はずみ車」の回転スピードが上がります。少しすると、焦げ臭いにおいがして「火きり臼」から煙が出てきます。
そうなると、火きり弓の上下運動を一気に上げます。そうすると発生した炭(カーボン)の中に、小さな赤い火玉ができます。これが「火だね」です。小さな火だねですが、これが大きな炎になります。

➂ヘラで火だねを取り、用意した麻わたに移します


「案内穴」の下に差し込んでおいたヘラで、赤い火玉を取り出し、麻ひもをほぐして作った麻わたの中に、火だねを包み込みます。ここまでくればあと少し。静かに軽く息を吹きかけます。小さな火だねですが、根気よく息を吹きかけていると…

 

➃麻わたにフウーフウー。煙がモクモク。そうしていると…

急にポッと火がつきます。一気に大きな火になりますので、あわてずに安全なところに落とすか、紙や枯れ葉などに移して一人前の”火”にします。さて、これで見事火起こし成功です。でも、小さな火と言え火は火です。最初に周りに水を入れたバケツなどを用意しておいて、燃え移らないように注意してください。

早ければ5分~10分くらいで火がつきます。女性の方は火だねができる頃に、腕の力が無くなってしまう場合がありますので、ペース配分に注意してください。それと、火起こしは、必ず大人の方と一緒にしてくださいね。

火起こしの方法は分かったかな? さあ、みんなで火起こししよう!!

-コラム

TEL:0744-46-9667
月・火・木・金・土 9:30~19:30
※土曜日は活動中で不在の場合がございます。

Copyright© SAKUDO , 2020 All Rights Reserved.